首や肩こりからくる頭痛に鍼灸が有効な理由とおすすめの施術法
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鍼灸
頭痛に対する鍼灸施術の効果とは
頭痛と鍼灸の関係
頭痛は日常的に多くの人が経験する不調で、慢性化すると日々の生活にも支障をきたします。
こうした中で、薬に頼らない選択肢として「鍼灸施術」が注目されており、鍼灸を用いて血行の促進や自律神経のバランスを整えることで、頭痛の軽減につながる事がわかっています。
鍼灸施術による頭痛改善のメカニズム
鍼灸による頭痛の改善は、いくつかの身体的な作用を通じて行われることが医学的エビデンスとしてわかっています。
1. 血行の促進
鍼やお灸によってツボを刺激することで、体内の血液循環が活発になり、頭部への血流もスムーズになります。
これにより、血流の滞りによって引き起こされる頭痛の緩和が期待されます。
2. 筋肉のこわばり、コリをほぐす
首や肩まわりの筋肉が緊張することで起こる頭痛に対し、鍼灸は深層の筋肉にアプローチし、コリや張りをやわらげることで痛みの原因を和らげます。
3. 自律神経のバランス調整
ストレスや不眠などによって乱れがちな自律神経に働きかけ、交感神経と副交感神経のバランスを整えることで、神経性の頭痛の改善を促します。
4. 脳内の鎮痛物質を活性化
鍼の刺激が脳に働きかけることで、エンドルフィンやセロトニンなどの鎮痛作用を持つ物質の分泌が促され、痛みそのものを感じにくくする効果も期待できます。
鍼施術がもたらす作用は麻酔効果も高いと言われています。
5. トリガーポイントへの対応
筋肉の中に存在する痛みの引き金となる「トリガーポイント」に鍼を打つことで、関連する頭部の不快感や痛みを和らげる手法も取り入れられています。
これらの多方面からのアプローチによって、鍼灸は頭痛の根本的な緩和を目指す施術法として用いられています。
頭痛に対する鍼灸の有効性
◆ 血流の改善による痛みの軽減
有効性:頭部・首・肩周辺の血行が良くなり、血流障害が原因の頭痛が和らぐ。
根拠:鍼灸によって刺激された毛細血管が拡張され、血液循環が促進されます。
これにより、酸素や栄養素が頭部へ適切に届けられ、老廃物の排出もスムーズになり、痛みの引き金となる虚血状態が改善されます。
◆ 筋緊張の緩和による緊張型頭痛の軽減
有効性:肩や首まわりの筋肉のコリがほぐれ、筋肉由来の頭痛が軽減。
特に後頭下筋郡と呼ばれる後頭部、後頭骨にこびりついている筋肉の集合体のコリ、硬さを軽減させる。
根拠:鍼は深層筋まで到達するため、マッサージでは届きにくい部位にも効果的に刺激を与えることができます。
これにより、筋膜や筋肉の過緊張が和らぎ、血流が改善され、緊張型頭痛の原因を根本からケアできます。
◆ 自律神経の調整による片頭痛の予防
有効性:ストレスや生活リズムの乱れによる神経性の頭痛を緩和。
根拠:鍼灸は交感神経と副交感神経のバランスを整える作用があり、ストレスによる神経過敏を穏やかにします。
これにより、片頭痛や自律神経失調による頭痛の発生頻度が減少する傾向があります。
◆ 内因性鎮痛物質(エンドルフィン等)の分泌促進
有効性:痛みを感じにくくし、薬を使わずに頭痛をやわらげる効果が期待される。
根拠:鍼刺激により中枢神経が反応し、脳内で「エンドルフィン」「セロトニン」「エンケファリン」などの鎮痛性神経伝達物質が分泌されます。
これらは自然な痛み止めの役割を果たし、痛覚の過敏性を抑制します。
◆ トリガーポイントへの直接刺激
有効性:関連痛として現れる頭痛(筋由来の頭痛)を的確にケア。
根拠:トリガーポイントとは、筋肉に生じた過敏な点のこと。
鍼でこのポイントを直接刺激することで、関連する離れた部位(例えばこめかみや後頭部、後頭下筋郡)に出る痛みを緩和することが可能です。
◆ 睡眠の質の向上による慢性頭痛の改善
有効性:睡眠の質が高まることで、日常的な頭痛の発症頻度が低下。
根拠:鍼灸は副交感神経を優位に導く作用があるため、心身がリラックスしやすくなり、深い眠りにつながります。
慢性的な疲労や睡眠不足が原因の頭痛には特に有効とされています。
◆ 薬物の使用量軽減(副作用リスクの低減)
有効性:鎮痛薬の依存や副作用のリスクを避けつつ、自然な方法で症状を緩和。
根拠:鍼灸は身体の恒常性(ホメオスタシス)を回復させる作用があり、薬に頼らず頭痛に対応できる可能性があります。
長期的な視点で見たとき、身体への負担を抑えながら施術を続けられるメリットがあります。
鍼灸は「根本から整える」頭痛ケアの選択肢
鍼灸は一時的な痛みの抑制だけでなく、体質の見直しや生活習慣に伴う不調の改善にも働きかける自然療法です。
特に、慢性的な頭痛や繰り返す片頭痛などでお悩みの方にとって、薬に頼らず根本から改善を目指す手段として有効です。
緊張型頭痛・片頭痛に対する鍼灸の違い
◆ 緊張型頭痛に対する施術法
緊張型頭痛は、別名頸性頭痛とも言われ、首から肩にかけての筋肉のこわばり、筋肉の凝りからくる頭痛です。
頭痛に対する鍼灸施術でのアプローチの中でもっとも効きが良く相性が良い頭痛と言われています。
【こり固まった筋肉をほぐす】
肩や首の深部にある筋肉が過剰に緊張していると、神経や血管が圧迫されて頭痛を引き起こします。
鍼は皮膚だけでなく、筋肉の深層部まで直接アプローチできるため、緊張を効率よくゆるめ、頭痛のもとをケアできます。
【トリガーポイントへのアプローチ】
筋肉にできる「しこり状の痛点(トリガーポイント)」が、実は頭の痛みにつながっていることも。
鍼によってこれらのポイントを刺激すると、痛みの連鎖が断ち切られ、関連する部位の不快感も軽減されます。
【自律神経の働きを整える】
精神的な緊張やストレスも、頭痛を引き起こす大きな要因です。
鍼灸では、リラックスを司る副交感神経に働きかける施術を行い、心身を落ち着かせて神経のバランスを整える効果が期待されます。
【血行促進による回復サイクルの改善】
鍼によって血流がスムーズになることで、酸素や栄養が頭部に届きやすくなり、老廃物の排出も進みます。
これにより、疲労が蓄積しにくくなり、慢性的な頭痛の軽減に役立ちます。
◆ 施術の頻度と経過について
- 初期段階では、週に1回程度の施術を数回行うことで、症状の変化を見ていきます。
- 長期間続く頭痛や、再発しやすいケースでは、体質改善や生活習慣の見直しと組み合わせた継続的なケアがおすすめです。
◆ 片頭痛に対する施術法
【血行の調整による痛みの軽減】
片頭痛は血管の異常な拡張によって発生しますが、鍼施術により血流を改善し、脳周辺の血流をスムーズにすることで血管の過剰な拡張を防ぐことができます。
これにより、片頭痛の発作を軽減できる可能性があります。
【自律神経のバランスを整える】
ストレスや生活習慣が片頭痛の引き金になることがあります。
鍼施術では、自律神経を調整し、交感神経と副交感神経のバランスを整えることで、ストレスや不規則な生活が引き起こす頭痛の予防に役立ちます。
【鎮痛物質の分泌促進】
鍼による刺激は脳内でエンドルフィンやセロトニンといった鎮痛物質の分泌を促進します。
これにより、痛みの知覚が抑制され、片頭痛の強い痛みが和らげられます。
【トリガーポイントへのアプローチ】
片頭痛は首や肩の筋肉の緊張が原因で誘発されることがあります。
鍼は、首や肩、頭の筋肉のトリガーポイント(筋肉の硬直部位)をターゲットにし、筋肉の緊張を緩和することで、痛みを減少させる役割を果たします。
【※緊張型頭痛と片頭痛への鍼灸施術でのアプローチの違い】
・緊張型頭痛に対しては、首周り、肩周り、背中の筋肉に対してアプローチを行い、その中でも最も重きを置くことは筋肉をほぐすと言うことです。
鍼施術の中でも筋肉をほぐすのに適している電気鍼も行います。
これは鍼灸パルスとも言われ交流の電気を筋肉に対して1hzを目処に流すことにより筋肉の収縮を起こして血流改善と筋緊張緩和を図ります。
・片頭痛に対しては、交流の電気鍼は、あまり行いません。
なぜかと言うと片頭痛は、脳内の血管の拡張と収縮が関与しています。片頭痛の発作が始まると、脳の血管が急激に拡張し、周囲の神経を圧迫することが痛みの原因となります。
電気鍼は、筋肉を強制的に収縮させるため、首周りや肩周りから脳はいく血管の拡張をより起こしやすくなる危険性があるためです。
なのでどちらかというとトリガーポイントに対する施術や自律神経調整に重きを置いた鍼施術を施します。
首や肩こりからくる頭痛の原因と症状
肩こり・コリ・筋肉の緊張が頭痛を引き起こす理由
◆ 理由①
・筋肉の硬直で血流が滞る
首や肩の筋肉が長時間緊張し続けると、筋肉内の血流が悪化し、酸素や栄養が頭部に届きにくくなります。
これにより老廃物が蓄積され、頭痛の原因物質が生まれやすくなるのです。
◆ 理由②
・神経が圧迫される
後頭部を通る神経(後頭神経など)は、首や肩の筋肉の間を通過しています。
筋肉が硬くなると、これらの神経を圧迫し、後頭部やこめかみに鈍い痛みを引き起こすことがあります。
◆ 理由③
・脳への血流も影響を受ける
頸部の筋肉が慢性的に緊張していると、脳へ血液を運ぶ動脈(椎骨動脈や頸動脈)の血流にも悪影響を及ぼします。
脳が酸素不足と判断し、痛みというサインを出すことで頭痛が現れます。
◆ 理由④
・姿勢の崩れが筋肉の負担を増す
スマートフォンやPC作業で前かがみになる姿勢が続くと、頭の重さを支えるために首・肩の筋肉が緊張状態に。
不良姿勢による持続的な負荷が頭痛の発生を助長します。
●症状の特徴と見分け方
◆ 症状①
1. 重たく締めつけられるような頭の痛み
- 頭の周囲を何かがぎゅっと締めているような不快感
- ズキズキとした鋭い痛みではなく、鈍く圧迫されるような痛みが多い
- 両側、または後頭部を中心に広がるケースが一般的です
◆ 症状②
2. 首・肩まわりの筋肉の強い緊張や重だるさ
- 頭痛の前後で、肩や首に強いハリ感や張りつめたようなコリを感じる
- 痛みの起点が首の後ろにあるように感じる人もいます
- 首を回したときに頭痛が強くなる場合もあります
◆ 症状③
3. 痛みが長く続く傾向がある
- 一度始まると、数時間から場合によっては数日間、だらだらと続く
- 我慢できる程度の痛みだが、集中力ややる気に影響を与えることがある
◆ 症状④
4. 特有の眼精疲労、目の奥が疲れたり、重く感じる
- 肩こりや首こりとあわせて、目の奥に重たい不快感やだるさを感じることも
- 長時間の画面作業のあとに悪化する場合が多い
◆ 注意が必要なケース
このような場合は、脳血管障害や緊急性が要するものです。
- 後頭部を殴られたような今までにないような強い頭痛
- 吐き気や視覚異常、手足のしびれを伴う場合
おすすめの鍼灸施術とツボ解説
頭痛・肩こりに効果的なツボの位置
1. 風池(ふうち)
- 場所:後頭部の髪の生え際、首の筋肉の外側で、くぼみを感じる部分
- 期待できる作用:頭部への血流を促進し、首や肩の緊張をやわらげます。目の疲れやめまい、首筋の張りを伴う頭痛に効果的とされています。
- 刺激方法:両手の親指を使って、頭の中心に向かって押し込むように優しく刺激します。
2. 肩井(けんせい)
- 場所:首の付け根と肩先を結んだ線の中央あたり、押すと圧痛を感じやすいポイント
- 期待できる作用:肩周辺の血流を促進し、筋肉の緊張をほぐします。肩こりだけでなく、緊張型の頭痛にも効果があるとされています。
- 刺激方法:中指または親指で、垂直にじっくりと押し込むように刺激します。強すぎる圧は避けましょう。
3. 合谷(ごうこく)
- 場所:手の甲側、親指と人差し指の骨が交差する部分のやや人差し指側のくぼみ
- 期待できる作用:全身の調整に使われる万能のツボ。頭痛や肩こりだけでなく、目の疲れや歯の痛みにも使われます。特にストレス由来の症状に効果的とされます。
- 刺激方法:反対の手の親指で、ゆっくりと息を吐きながら押し込み、5秒程度キープして緩めます。これを数回繰り返します。
4. 天柱(てんちゅう)
- 場所:首の後ろ側、髪の生え際のすぐ下。左右の太い筋肉の外側のくぼみにある
- 期待できる作用:首・肩の緊張をゆるめ、目の奥の痛みや頭重感を和らげます。風邪の初期症状にも使われることがあります。
- 刺激方法:両手の親指で、頭を支えるようにしながら心地よい強さで押します。
5. 百会(ひゃくえ)
- 場所:頭のてっぺん、両耳をまっすぐ頭の上で結んだ線と、眉間の中心線が交差する場所
- 期待できる作用:頭部全体の気の流れを整える働きがあるとされ、精神的な緊張や慢性的な頭痛に対して鎮静効果が期待されます。
- 刺激方法:指の腹で円を描くように軽くマッサージするか、やや圧を加えて静かに押すのが効果的です。
頭皮や身体への鍼灸施術のポイント
1. 頭部(頭皮)への鍼
- 対象部位:百会(ひゃくえ)、四神聡(ししんそう)、後頭部の風池(ふうち)など
- 目的と効果:
- 頭皮や頭蓋周囲の筋緊張を緩和し、局所の血流を改善
- 脳への血液循環を促すことで、重だるい痛みやぼんやりした頭重感を緩和
- 自律神経を整えることで、ストレス性の頭痛にも対応可能
2. 首・肩・肩甲骨周辺の筋肉へのアプローチ
- 対象部位:肩井(けんせい)、天柱(てんちゅう)、風池(ふうち)、肩中兪(けんちゅうゆ)など
- 目的と効果:
- 首や肩まわりの緊張を取り除くことで、緊張型頭痛の原因となる筋緊張を和らげる
- 神経の圧迫や血流障害が解消され、後頭部〜側頭部の痛みが改善
- ストレートネックや猫背姿勢の調整を助ける働きも
3. 手足の経絡上のツボ(遠隔部位)
- 対象部位:合谷(ごうこく/手)、足三里(あしさんり/脚)、太衝(たいしょう/足)など
- 目的と効果:
- 頭部に通じる経絡(とくに手の陽明大腸経、足の厥陰肝経など)を遠隔から刺激し、全身の気の流れを整える
- 頭部のうっ滞感やのぼせ、こもったような痛みに対して特に効果的
- 鍼を打つことで、リラックスを促し、自律神経のバランスを整える作用も
4. 腹部や背中のツボ
- 対象部位:中脘(ちゅうかん)、大椎(だいつい)、腎兪(じんゆ)など
- 目的と効果:
- 体幹から内臓機能の調整を図ることで、慢性的な体の緊張や疲労が引き金となる頭痛にもアプローチ
- 自律神経の安定をはかり、睡眠の質や胃腸の働きの改善を通して、間接的に頭痛がやわらぐことがある
世田谷総合整骨院・鍼灸院での鍼灸施術
当院の鍼灸施術の特徴と効果
世田谷総合整骨院・鍼灸院では、後頭部の後頭骨という頭蓋骨の後方にある骨に付着している後頭下筋郡の特異的なコリに注目し、頭痛に対する鍼施術をしていきます。
1.手技療法、マッサージによるアプローチ
後頭部の後頭下筋群へ手技療法、マッサージをし凝りの状態を把握、筋肉をほぐしていきます。
2.ハイボルテージを用いた物理療法でのアプローチ
ハイボルテージ療法は、高電圧の電気刺激を後頭部に当てることにより、痛みの緩和や組織の回復を促進する施術法です。
高電圧・短時間の刺激により、表面だけでなく筋肉や神経の深層にまで電気が届きます。
これにより強力な痛みの抑制、神経伝達の過剰な興奮によるつらい痛みや筋肉のこわばりをやわらげます。
この後頭痛に対する鍼灸施術をしていきます
1.後頭部、後頭下、頸椎、肩甲骨上部へのアプローチ
・使用経穴
・天柱、風池、完骨、上天柱、肩井、肩中兪などのツボに対して使用機器、鍼通電パルス、良導絡を用いてアプローチしていきます。
2.頭皮、眉間、こめかみへのアプローチ
・使用経穴
・百会、神庭、通天、太陽、絲竹空、印堂にたいして使用機器、鍼通電パルスを用いてアプローチしていきます。
一連の施術後は、すぐに効果を実感される方が多いです。